⇒ルトラールの基本概要
⇒ルトラール服用中に妊娠検査薬で陽性反応が出た場合
⇒ルトラールが処方される主な症状
⇒肝臓病・肝機能障害がある場合は要注意
⇒ルトラールの主な副作用症状
⇒ルトラールの効果・副作用のまとめ一覧表
ルトラール(塩野義製薬)はその主要成分として、黄体ホルモン(プロゲステロン)と呼ばれる女性ホルモン人工的に配合した薬品です。
黄体ホルモンは体温が上昇する高温期(黄体期)である月経周期の後半・妊娠中に黄体及び胎盤から分泌されるホルモンで、排卵を促進する作用がありますが、長期的に服用をした場合、体温の向上、食欲の増進及び、体調不良現象などが出てきます。
また、ルトラールはホルモンのバランスをコントロールする目的がある事から、女性に限らず男性のホルモンの抑制の目的で男性に処方されるケースも多くあります。
ホルモンコントロールには、服用期間、周期などの指導を受けるので、これらの服用のタイミングを継続的に守る事も副作用を防止する為に大切な事です。
ルトラールの服用に関しては、これら正しい知識を持って副作用などの働きを把握した上で服用する事が非常に重要となります。
ルトラール錠は黄体ホルモン(プロゲステロン)と呼ばれる成分が配合されている薬剤です。
ルトラール錠に使用される黄体ホルモンは、経口投与しても体内で容易に分解されない「合成黄体ホルモン」を使用します。
尚、合成黄体ホルモンは体内で分泌される天然の黄体ホルモンとほぼ同様の自然な作用を示す働きを持っております。
ルトラールの服用中に妊娠検査薬によって陽性反応を示した場合も、ルトラールは合成黄体ホルモンであり妊娠検査薬に反応することはありませんので、妊娠をしている可能性が極めて高い事になります。
但し、HCG注射を行った直後に妊娠検査薬を使用すると、妊娠の有無に関わらず「陽性反応」を示します。
ルトラール錠を服用する場合の主な使用目的、及び用途は、前項で解説した通り、ルトラールに配合されている主成分の作用によります。
主に使用される疾患としては、以下の症状の改善、及びコントロールを目的として処方されるケースが大半です。
【ルトラールが処方される主な症状一覧】
☆無月経
☆月経周期異常
☆月経量異常
☆機能性子宮出血
☆黄体機能不全による不妊症
☆子宮内膜症
☆前立腺肥大症
☆前立腺癌
尚、他の薬剤と併用して使用するケースでは、薬剤の組み合わせによって、ルトラール錠の働く作用を強めたり、効果を薄めたりするケースもあるので、持病などによって薬剤の併用をしなければいけないケースに関しては、事前に医師にその旨を伝えておく必要があります。
通常は医師によってこれらの薬剤の併用を確認されますが、もし特に確認も無く薬を処方された場合は、服用前に一度確認を取ることが重要です。
ルトラール錠を服用する際の注意点としては、まず前項でご説明しました他の薬物との併用についてです。
併用をした際に、ルトラールの作用を低下させる薬物としては
☆リファンピシン
☆フェノバルビタール
☆フェニトイン
などの薬物成分があげられます。
また、ルトラール錠は「肝臓病」の持病を持っている患者の場合、症状を悪化させる危険性もあります。
肝臓病や肝機能障害の傾向のある方は、医師に事前に申告する事が最重要となります。
ルトラールは基本的に、医師に処方された容量を守り、短期間の服用であれば重度の副作用を起こす事はありません。
しかし、服用開始から2~3ヶ月程度の期間は
☆吐き気・嘔吐
☆乳房の張り感覚
☆不正出血
☆腹痛
などの女性ホルモン剤独特の症状を発症するケースが多く見られます。
不正出血は薬の飲み忘れなどによって服用の周期が乱れると発生します。
また、男性のケースでは
☆勃起不全症
☆生殖器官機能の一時的低下減少
☆乳房の発達
などの副反応症状を発症するケースも見られます。
尚、長期的に継続して使用する場合は性別に関わらず「血栓症」と呼ばれる四肢の麻痺症状を発症するケースがごく稀に存在します。
☆手足のしびれ症状
☆視力の急激な低下
などの症状を確認した場合は、すみやかに医師の診察を仰ぐ事が重要です。
ルトラールの副作用について、再度重要なポイントをおさらいしましょう。
ルトラールの服用に関して特に注意すべきポイントとしては、血栓症の危険性がある点です。
また、女性であれば不正な出血やおりもの、男性であれば勃起不全症などの生殖器官に関与する副作用症状を発症する可能性があります。
最後にルトラールの服用前に確認しておきたいチェックポイントを以下の表にまとめておきます。
ルトラールの効果・副作用のまとめ一覧表 | |
---|---|
処方される主な疾患 | 無月経 |
月経周期異常 | |
月経量異常 | |
機能性子宮出血 | |
黄体機能不全による不妊症 | |
子宮内膜症 | |
前立腺肥大症 | |
前立腺癌 | |
主な副作用症状 | 吐き気・嘔吐 |
乳房の張り感覚 | |
不正出血 | |
腹痛 | |
手足のしびれ症状 | |
視力の急激な低下 | |
その他確認事項 | ①服用開始から2~3ヶ月の期間は女性ホルモン剤独特の副作用症状が現れやすい ②しびれ症状などが確認される場合は血栓症の可能性もあるため直ぐに医師に申告すること |