ハルシオン(ファイザー薬品)は「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬で、脳に直接作用することによって催眠作用と鎮静作用を示す薬の1種です。
ハルシオンはその主要成分として、「トリアゾラム」を配合した薬品です。
トリアゾラムは、脳の中枢に直接作用し、催眠作用、及び鎮静作用、また筋肉の弛緩作用など神経系の働きをリラックスさせ鎮静化する働きをもつ成分です。
その為、睡眠薬としての使用の他、麻酔などを行う前に使用されるケースなどもあります。
薬の効果としての持続時間は非常に短く、睡眠の導入の際に強い効果を発揮します。
尚、ハルシオンは長期的に使用した場合、効果が低下する低減反応も確認されております。
ハルシオンの使用に関しては、正しい知識を持ってハルシオンの働きを把握した上で使用する事が非常に重要となります。
ハルシオンを使用する際は、正しい使い方、効果、及び副作用・副反応などの症状パターンなど、使用の前に正しい知識、働きを把握する事が最も大切です。
ハルシオンは「トリアゾラム」と呼ばれる成分が配合されている薬品です。
このトリアゾラムは、脳の中枢に直接作用し「催眠作用」・「鎮静作用」・「筋肉の弛緩作用」などの神経系の働きをリラックスさせ鎮静化する働きをもつ成分です。
尚、ハルシオンは近年では主に睡眠導入剤として幅広く使用されております。
睡眠薬としての効能は有能ですが、次項以降で解説している依存性のあるお薬である点も事前にしっかりと認識しておくことが重要です。
ハルシオンの主な使用目的、及び用途は、前項で解説した通り、ハルシオンに配合されている主成分の作用によります。
主に使用される症状としては、「不眠症の治療」及び「麻酔前の投薬」が大半のケースを占めます。
不眠症の場合は、適量(通常成人で0.25mg)を就寝前に経口服用します。
麻酔前の投薬として使用する場合は、手術の前夜に就寝前に経口服用することになります。
尚、他の薬剤と併用して使用するケースでは、薬剤の組み合わせによって、ハルシオン錠の働く作用を強めたり、効果を薄めたりするケースもあるので、持病などによって薬剤の併用をしなければいけないケースに関しては、事前に医師にその旨を伝えておく必要があります。
通常は医師によってこれらの薬剤の併用を確認されますが、もし特に確認も無く薬を処方された場合は、服用前に一度確認を取ることが重要です。
ハルシオン錠を服用する際の注意点としては、まず前項でご説明しました他の薬物との併用についてです。
尚、ハルシオンにはお薬の併用が禁止されている成分が多くありますので服用前に確認しておくことが重要です。
【ハルシオンとの併用が禁止されている主な成分】
☆インジナビル
☆リトナビル
☆エファビレンツ
☆イトラコナゾール
☆フルコナゾール
☆ミコナゾール
尚、「モノアミン酸化酵素阻害薬」を併用した場合副作用症状が強化する場合があるので注意が必要です。
これらの成分種別が分からない場合は、現在使用しているお薬を持参し直接医師へ確認するようにしましょう。
ハルシオンは基本的に、規定の容量を守り、短期間の使用であれば副作用を起こす事はほとんどありません。
しかし、主要成分であるトリアゾラムの副作用として以下のような症状を発症する可能性が検討されます。
【副作用として多く見られる症状】
☆一過性前向性健忘
☆呼吸抑制症状
☆炭酸ガスナルコーシス
☆高度の筋硬直症状
☆夢遊病
尚、この他にも体感症状としては以下のような自覚症状を発症しやすいことが確認されてきております。
【副作用として体感しやすい自覚症状】
☆錯乱
☆めまい・ふらつき・頭痛
☆倦怠感・脱力感
☆吐き気症状
ハルシオンは服用期間が長期化するほど、薬の効果に対して体が慣れてしまい、効き目の低下を感じるケースも多くあります。
その為、自己判断で服用量を増加してしまうという事態が後を絶たないのも現状です。
更に、「依存性の高い薬品」でもあり、服用しないと眠れないなどの症状を抱える「依存症患者」も実際多く存在します。
ハルシオンの服用開始時は依存性の高い薬品であるという傾向をもつ薬剤の特性を把握した上で容量を守って服用することが何よりも大切といえます。
しかし、この依存性を把握していながらも服用容量が増えていってしまう患者も多くいるのが現状です。
ハルシオンの依存性は睡眠障害をもつ患者にとっての大きな課題です。
ハルシオンを長期間にわたって服用している方はアルコールの摂取量に関しても、比較的多くなる傾向にあります。
これはアルコール成分であるエチルアルコールが中枢神経の働きを抑制する作用をもっているためです。
アルコールを摂取すると、まず中枢神経の働きの抑制が大脳皮質からはじまります。
大脳皮質は「思考能力」及び「記憶能力」に携わる分野です。
いわゆる「記憶がとぶ」とは、このような中枢神経の働きの抑制作用が働いているためです。
アルコールは思考能力や記憶能力の抑制が働く反面、心地の良い睡眠導入作用をもたらします。
この作用がある為、睡眠障害をもつ患者の多くはアルコールの摂取が多くなる傾向にあるのです。
ハルシオンは超短時間作用型の睡眠導入薬で、アルコール同様に中枢神経の働きを抑制する作用をもつお薬です。
ハルシオンとアルコールの併用により、中枢神経の抑制作用は相乗効果によって更に強化されます。
その為、記憶能力の低下や思考能力の低下だけにとどまらず
☆多動・多弁(動き回る・よくしゃべる)
☆幻覚症状
☆せん妄症状・錯乱症状
などの症状を発症するケースも出てきます。
また、アルコールもハルシオンも依存性の高い薬剤です。
依存症は本人が理解しているつもりでもなかなか断ち切れない疾患です。
依存症の発症を回避するためにもアルコールとハルシオン両者の併用は極力さけるよう心掛けることも大切です。
ハルシオンの副作用について、再度重要なポイントをおさらいしましょう。
ハルシオンの服用に関して特に注意すべきポイントとしては、ハルシオンがもつ依存性です。
このように、薬物を断つ事ができなくなる症状を、薬物依存症と呼びます。
使用を長期間続けた場合、薬の効き目の低下現象が見られるようになり、薬物依存症へ進展していくケースが多い点を強く認識しておく事が重要です。
最後にハルシオンの服用前に確認しておきたいチェックポイントをおさらいとして以下の表にまとめておきます。
ハルシオンの効果・副作用のまとめ | |
---|---|
処方される主な疾患 | 不眠症の治療 |
麻酔前の投薬 | |
主な副作用症状 | 一過性前向性健忘 |
呼吸抑制症状 | |
炭酸ガスナルコーシス | |
高度の筋硬直症状 | |
夢遊病 | |
錯乱 | |
めまい・ふらつき・頭痛 | |
倦怠感・脱力感 | |
吐き気症状 | |
その他確認事項 | 依存性が高く長期間に渡る服用の継続によって薬物依存症を発症する可能性もある |