⇒ワーファリンの基本概要
⇒ワルファリンカリウムとは?
⇒ワーファリンが処方される主な疾患
⇒併用の際に注意が必要となる成分(納豆はなぜ駄目なの?)
⇒ワーファリンの主な副作用症状
⇒ワーファリンの効果・副作用のまとめ一覧表
ワーファリン(エーザイ)は、血管内における血液凝固作用を阻止する事で、血液が固まるのを防ぐ働きをもつ抗血栓薬です。
ワーファリンを服用する際は、薬の効能、及び副作用・副反応などの症状パターンなど、服用の前に正しい薬の知識、働きを把握した上で服用する事が最も大切です。
また、ワーファリン薬に含まれる成分の働きから、他の薬品及び食品との併用を避けるべきケース(ビタミンKを合成する納豆など)も存在します。
ワーファリン錠は「ワルファリンカリウム」と呼ばれる成分が配合されている薬剤です。
ワルファリンカリウムは、強力な抗血栓薬のひとつで、血液の凝固作用に関与する「ビタミンK」の働きを阻止する作用をもっている薬剤です。
血液はビタミンKの働きを阻害されると、血を固める成分である「プロトロンビンたんぱく質」の生成が出来なくなります。
ワーファリン錠はこのプロトロンビンたんぱく質の生成を阻止する働きがある事から、血栓塞栓症の予防薬として広く使用されております。
ワーファリン錠を服用する場合の主な使用目的、及び用途は、前項で解説した通り、ワーファリンに配合されている主成分の作用によります。
主に使用される疾患としては以下のような疾患があげられます。
【ワーファリンが処方される主な疾患】
☆心筋梗塞症
☆静脈血栓症
☆肺塞栓症
☆脳塞栓症
☆脳血栓症
ワーファリンは以上のように血栓塞栓症の治療の際に処方されるケースが大半です。
尚、他の薬剤と併用して使用するケースでは、薬剤の組み合わせによって、ワーファリン錠の働く作用を強めたり、効果を薄めたりするケースもあるので、持病などによって薬剤の併用をしなければいけないケースに関しては、事前に医師にその旨を伝えておく必要があります。
通常は医師によってこれらの薬剤の併用を確認されますが、もし特に確認も無く薬を処方された場合は、服用前に一度確認を取ることが重要です。
ワーファリン錠を服用する際の注意点としては、まず前項でご説明しました他の薬物との併用についてです。
併用をした際に、ワーファリンの作用を低下させる薬物としては「ビタミンK含有製剤」などの薬物成分があげられます。
尚、これは製剤に限らず食品に関しても同様です。代表的な食品としては
☆納豆
☆青汁
☆クロレラ
☆緑黄色野菜の大量摂取
に関してもビタミンKの摂取につながるので薬の成分を低下させる可能性があります。
また、ワーファリンと服用を併用する事によって、併用した薬剤の作用を過剰にするおそれのある薬剤は以下のように多くの種類の成分があります。
【併用の際に注意が必要となる成分一覧】
☆ワルファリンカリウム
☆塩酸チクロピジン
☆シロスタゾール
☆抱水クロラール
☆アスピリン
☆フェニルブタゾン
☆メフェナム酸
☆インドメタシン
☆メチルフェニデート
☆三環系抗うつ薬
☆モノアミン酸化酵素阻害薬
☆硫酸キニジン
☆甲状腺製剤
☆抗甲状腺製剤
☆蛋白同化ステロイド
☆アロプリノール
☆プロナーゼ
☆ブロメライン
☆トルブタミド
☆クロルプロパミド
☆クロラムフェニコール
☆テトラサイクリン
☆サルファ剤
☆キニーネ
☆バルプロ酸ナトリウム
☆フェニトイン
☆パロキセチン
☆マレイン酸フルボキサミン
☆アミオダロン
☆塩酸プロパフェノン
☆エタクリン酸
☆シンバスタチン
☆デキストラン硫酸ナトリウム
☆フィブラート系製剤
☆フルバスタチンナトリウム
☆オメプラゾール
☆シメチジン
☆ダナゾール
☆ヘパリン
☆イコサペント酸エチル
☆塩酸サルポグレラート
☆塩酸チクロピジン
☆オザグレルナトリウム
☆シロスタゾール
☆ベラプロストナトリウム
尚、併用によって、ワーファリンの作用を強化もしくは低下させる可能性をもつ薬剤としては
☆アザチオプリン
☆メルカプトプリン
の2つの成分があげられます。
持病などによって、薬の併用が避けられないケースでは、現在服用している薬の成分の中に「上記に掲げた成分が含まれているかどうか?」について、事前に確認をすることが必要となります。
ワーファリン錠は基本的に強い薬ですから、医師に処方された容量を厳守する事が大切です。
主成分であるワルファリンカリウムの主な副作用として以下のような症状があげられます。
【ワーファリンの主な副作用症状】
●出血が止まりにくくなる
●皮下出血症状
●血尿症状
●皮膚に発疹が出る(じんましんなど)
●肝機能障害
●皮膚の壊死
また、ワーファリンは特に「妊娠中」の服用は絶対に厳禁です。
妊娠の可能性が僅かにでもあると思われる場合は、服用前に状況を必ず確認するようにしましょう。
ワーファリンの副作用について、再度重要なポイントをおさらいしましょう。
ワーファリンの服用に関して特に注意すべきポイントとしては、ビタミンKを含有する食品との併用です。
これは食品に限らずサプリメントなどの栄養補助食品に関しても同様です。
また妊娠中の妊婦は服用は禁止されている為、妊娠の可能性がある場合は服用前にまず妊娠検査を行うことが大切です。
最後にワーファリンの服用前に確認しておきたいチェックポイントを以下の表にまとめておきます。
ワーファリンの効果・副作用のまとめ一覧表 | |
---|---|
処方される主な疾患 | 心筋梗塞症 |
静脈血栓症 | |
肺塞栓症 | |
脳塞栓症 | |
脳血栓症 | |
主な副作用症状 | 出血が止まりにくくなる |
皮下出血症状 | |
血尿症状 | |
皮膚に発疹が出る(じんましんなど) | |
肝機能障害 | |
皮膚の壊死 | |
その他確認事項 | 妊婦の服用は厳禁。ビタミンKを含有する食品と併用すると効果が半減する可能性あり。 |