お薬の効果・副作用のまとめ

【お薬の効果・副作用のまとめ】

お薬ぶっく♪ではアクテムラの効果・働き・主な副作用症状を入門者向きに解説しております。

◆アクテムラの効果・副作用のまとめ♪(もくじ)

⇒基本概要
⇒トシリズマブとは?
⇒抗体医薬品とは?
⇒モノクローナル抗体とは?
⇒インターロイキン-6(IL-6)の生物学的作用
⇒副作用症状の一覧
⇒服用前のチェックポイント

◆基本概要

アクテムラ(中外製薬株式会社)は製品化された当初(2005年6月)は、キャッスルマン病の適応薬として販売が開始されたのをご存知でしょうか?

しかし、2008年4月16日、厚生労働省は、「関節リウマチ」及び「若年性特発性関節炎」への適応効果も認め、これらの疾患の適応薬としてアクテムラを追加承認しました。

こうしてアクテムラは大きく注目を集めるようになったのです。

◆トシリズマブとは?

アクテムラはその主要成分として、トシリズマブと呼ばれる成分を配合した薬品です。

尚、トシリズマブは、国産第1号の抗体医薬品となっており、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体製剤として効果を発揮します。

トシリズマブは炎症作用などの生物学的作用をもたらすとされる、IL-6(インターロイキン6)という物質の作用を抑える分子標的治療薬です。

しかしトシリズマブは使用者の90%以上が何らかの副作用・及び副反応症状を訴えていることが確認されている薬剤でもある点を忘れてはいけません。

アクテムラを使用の際には、服用期間、使用量などの指導を受けるので、これらの医師の指導を継続的に守る事も副作用を防止する為に大切な事です。

◆抗体医薬品とは?

抗体医薬品とは、何らかの異常が発生している特定の細胞組織や分子組織に対して狙いを定めて効果を発揮する抗体の作用を最大限に活用する為に開発された医薬品のことです。

抗体医薬品を構成する成分の主成分は人体に存在する「たんぱく質」を遺伝子工学技術(バイオ技術)などで生成する為、人体へ与える影響も軽減されることが確認されております。

また抗体医薬品は、特定の異常反応を示す細胞組織にのみ働きかけ「正常な細胞」へは無作用である為、その有効性も期待されております。

◆モノクローナル抗体とは?

抗体医薬品の中でも近年注目を集めているのが、トシリズマブなどのヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体も含む「モノクローナル抗体製剤」と呼ばれる製剤です。

モノクローナル抗体は、細胞組織に何らかの異常などがある場合、その細胞組織のみに狙いを定めて抗体としての効果・作用を発揮します。

これら抗体医薬品は、例えばがん細胞などの場合、表面に出ている異物である抗原タンパク質を発見し抗体を生成するため、治療効果のみならず副作用の軽減が期待できるのです。

◆インターロイキン-6(IL-6)の生物学的作用

基本概要でもご説明しましたがアクテムラ抗体医薬品が開発され発売された当初、アクテムラはキャッスルマン病の治療薬として大きな期待をされていました。

これはアクテムラが含むトシリズマブはインターロイキン-6がもたらす作用である「生物学的作用」の抑制効果が確認されるようになってきた為です。

ここでインターロイキン-6がもたらす現在確認されている生物学的作用を確認してみましょう。

【インターロイキン-6(IL-6)の生物学的作用】
☆細胞の分化誘導作用
☆細胞の増殖作用
☆血小板の増加作用
☆炎症反応
☆免疫細胞の低下作用

インターロイキン-6がもたらす作用は、キャッスルマン病のみならず、「関節リウマチ」及び「全身型若年性特発性関節炎」に関与している事が徐々に解明されつつあります。

アクテムラの追加承認が厚生省から認可されたのは、これらの効果が認められつつあることの証明とも言えます。

◆副作用症状の一覧

アクテムラの使用に関して確認されている副作用症状の主な一覧をチェックしてみましょう。

【主な副作用症状一覧】
☆鼻咽頭炎
☆コレステロールの増加
☆LDL値の上昇
☆トリグリセリド増加
☆ALTの上昇

これらは比較的多く確認されてきた副作用症状の一覧です。

尚、危険性を伴う可能性をもつ重度の副作用症状としては以下のような症状を発症する可能性があります。

【危険性のある副作用症状一覧】
☆アナフィラキシーショック
☆心不全
☆好中球数減少
☆腸管穿孔

まだ症例的にも十分な母数とは言いがたい部分もある為、参考の範囲となりますがこれらの副作用症状および副反応症状の報告がある点は把握しておくべきポイントです。

◆服用前のチェックポイント

アクテムラの服用に関して再度重要なポイントをおさらいしましょう。

アクテムラの副作用症状に関しては、比較的多くの症状が確認されております。

中でもショック症状や、心不全などの重大な副反応症状も確認されている点をしっかり把握しておく必要があります。

また一覧表に掲載されている症状を発症した場合は速やかに医師の診断を仰ぐことが大切です。

お薬の処方を受ける際は服用に関する医師からの説明が必ずある為、医師の指導の元、容量・用法を遵守し服用を継続することが重要と言えます。

最後にアクテムラの服用前に確認しておきたいチェックポイントを以下の表にまとめておきます。

アクテムラの効果・副作用のまとめ一覧表
処方される主な疾患キャッスルマン病
関節リウマチ
若年性特発性関節炎
主な副作用症状鼻咽頭炎
コレステロールの増加
LDL値の上昇
トリグリセリド増加
ALTの上昇
アナフィラキシーショック
心不全
好中球数減少
腸管穿孔
その他確認事項ごく稀にショック症状や心不全を伴う報告もあげられている

◆項目別一覧